第47章 揺れる心、ほどける夜 ※微
ホ「!!!」
名前を呼ばれた瞬間、ホークスの理性は簡単にぷつりと切れた。
触れたら壊れそうで。
でも、触れなきゃ本当にどこかへ行ってしまいそうで。
そんな不安が胸を焼き、をもう離すものかと言わんばかりに、強く抱きしめる。
守りたくて、突き放したはずなのに。
危険な目に遭わせたくなくて、距離を置いたはずなのに。
それでも今は、腕の中にいるを手放す方がよほど怖かった。
愛おしすぎて、恋しすぎて、腹が立つ。
どうすればいいのかも、どこへ行けばいいのかもわからない感情が胸の奥で渦を巻く。
自分がどれだけ黒く染まろうとも、この世界が平和で安全になるならそれでいい。
それでが笑って暮らせる世界が守れるなら、それでいいと思っていた。
ずっと、そう思っていたはずなのに。
今は違う。
この手を離したくないと、本能が叫んでいる。
ホ「……」
肩に顔を埋めながら、ホークスは震える声で呟いた。
名前の響きだけで心が崩れていく。
抱きしめた腕に力が入りすぎていることに気づいて、ホークスは震えながら少しだけ緩めた。
ホ「ごめん……痛くなか?」
掠れた声。
まるで、自分が触れること自体が罪だと言うように。
は答えられない。
喉が動かない。
ホークスはその沈黙を“拒絶じゃない”と悟ってしまい、さらに苦しくなる。
胸に落ちる吐息が熱い。
「っ…啓吾…」
ホ「…そんな声で呼ばれたら…俺、また間違える」
額を肩に押しつけ、苦しそうに笑う。
ホ「ほんとは……全部言って……全部引きずって……全部抱きしめて……離したくないって叫びたいのに」
言えない理由が喉でつっかえている。
何も言わなくても分かる重さ。
ホ「俺が何してるかも……これから何になるのかも……言えない。言ったらが……巻き込まれるかもしれん」
初めて、声が震えた。
ホ「でも……今日、を見た瞬間……全部どうでもよくなりかけた」
その言葉が胸に突き刺さる。
ホ「なぁ……一秒だけでいいけん。俺のわがまま、許して?」