第46章 抑えきれない想い、残った温もり ※
文化祭も終わって、少し経ったある日の夜。
寮の自室で、緑谷はベッドに横になりながら天井を見上げていた。
今日も色んなことがあった。
授業、訓練。
やることは山ほどある。
けれど、気付けば考えているのは1人のことだった。
今日もたくさん頑張っていたな。
無理してなかったかな。
ちゃんと休んでるかな。
会いたいな。
その時だった。
ドクン、と胸の奥が鳴る。
緑谷の身体がぴくりと震えた。
まただ。
最近何度も襲ってくる感覚。
ドクン。
ドクン。
心臓が早くなる。
息が浅くなる。
会いたい。
触れたい。
抱きしめたい。
どうしようもなく。
今すぐ、会いたい。
緑谷はシーツを握り締める。
緑「っ……」
必死に理性を保とうとする。
これは自分の気持ちで、そしてワンフォーオールの中にいる誰かの想いが伝わってくる。
その時、頭の奥で声が響いた気がした。
『会いたい』
低く、掠れた声。
緑谷は目を見開く。
胸が苦しい。
苦しいのに、どこか温かい。
その感情を知っている気がした。
ふと、以前の会話が蘇る。
オールフォーワンが言っていたという言葉。
――愛によって力は増す。
そして、校長とオールマイトの言葉。
――流れに身を任せてみるのも一つかもしれない。
最後に思い出したのは、優しく微笑むの顔だった。
『いいよ』
緑谷の呼吸が止まる。
『出久は優しいから』
次の瞬間、がばっと身体を起こした。
もう考えられなかった。
考えてしまえば止まってしまう。
だから、心の赴くままに。
足が向かう方へ。
心が求める方へ。
緑谷は部屋を飛び出した。