第13章 ちゃんと言っとけ【相澤消太】
補助教員として配属された日から
相澤先生のことを
意識するようになってしまった。
けれど、日々の中で
距離はそう簡単に縮まるわけじゃなくて
相変わらず先生は淡々としていて
必要最低限の会話しかしない人だった。
それでも
「先生、これ、
明日の授業の準備です。」
相澤「...ああ、助かる。」
そんな短いやりとりでも
言葉の奥にほんの少し
柔らかさを感じることがあって。
他の先生方には見せない
少し気を許してくれているような空気に
心が小さく跳ねた。
またある日、雨の降る放課後。
忘れ物を取りに戻ったあなたが
職員室で書類を広げている先生を見つけた。
小さなため息が聞こえてきて
ふと覗き込むと
手元のプリントにコーヒーが
こぼれて滲んでしまっている。