第10章 悪夢の棲む家
麻衣の言葉に翠はどこか不安げに、でも何処か縋るかのような目で見た。
「まだ調査を続けるの……?」
そんな翠の前に結衣はしゃがんでから微笑んで声をかける。
「翠さんが見たものがなんなのか調べようと思いまして。ナル……所長もその方が良いと話しているので、まだ長引きますがご協力よろしくお願いします」
「……よかった。もしかして気の所為だって言われて帰っちゃうのかもって」
その言葉に麻衣と結衣は『そんな!』と違いますよと手を振った。まだ依頼人が不安がっていて、しかも謎のものを見たとなると帰る訳には行かない。
それと同時に結衣はこんな怖がっている翠達を置いて帰るなんてできない、そう思っていた。
「本当にやかましいかさばるしで申し訳ないんですけど、もうちょっと調べさせてくださいね」
「私たちは翠さん達が安心できるようにいるんですから」
双子の言葉に翠の瞳に涙が浮かび、母がそれ宥めるように肩を抱きしめた。
「……ありがとう。よろしくお願いします……」
「……大丈夫ですよ。私も麻衣も……ナルたちもいますから」
結衣は涙する翠にそう声をかけるしか出来なかった。まだ原因が分からないままなのに、なにか出来るか分からないから声をかけるしかできない。励ますしかできない。
その後、翠の話をベースにて話し合っていた。
翠の見た内容をまとめそして安原に話していくが、安原は不思議そうにしている。
「──『鉈を持った男』ねぇ。この家、昔何があったわけ?」
「おかしいな……何も無いはずなんですけど」
「家がどうこうってより、建つ以前に問題があるんじゃねぇの?そこらへん調べてみたらどうよ」
「……今、思いっきり簡単そうに言いましたね」
安原と法生が話しているのを聞いて結衣は苦笑していた。
「ぼーさん、そんな簡単にほいほい頼まない。調べ物って大変なんでしょー?」
「でもそれが少年探偵団のお勤めだろー。そんな言うなら結衣も少年探偵団の仕事やってみるか?お前が苦手な調べ物♡」
「い、や、で、す♡」
「目の前でイチャつくの辞めてもらっていいですかー?」
「い、イチャつくなんて!してないですから!!」
結衣は顔を真っ赤にして叫ぶが、法生はゲラゲラと笑っているだけだった。