第6章 黄金のグリフィン
「グレンジャー・ハーマイオニー!」
名を呼ばれたグレンジャーは、まるで待ちきれなかったかのように素早く椅子に座り、帽子を自分で深くかぶった。
どうか彼女がレイブンクローに選ばれますように…
「グリフィンドール!」
帽子が高らかにそう叫ぶ。
どうやらチユの願いは届かなかったらしい、明らかに落胆したチユを見て双子が「おいおい、どうしたんだ?」と不思議そうにしていたが、答える気力もなかった。
「グレイン・ゼロ!」
その名が呼ばれると、広間が一瞬でザワついた。
どうやらグレイン家は過激派の純血主義者として知られ、代々スリザリンに所属する名家らしい。
視線は彼に集まり、まるで何か不安を感じさせるような重い空気が漂った。
彼は白い肌に鋭い目付き、黒い長髪が特徴的なだった。
非常に端整な顔立ちをしていて、どこか冷徹な印象を与える。
背の高い身体を、何かに怯えるように背中を丸めている。
その仕草から彼が今まで嫌でも目立ってきたことが伺えた。
なんだかチユは自分と同じものを感じた。
帽子と何かを話す彼の口元からは、尖った歯がチラついた。
偏見かもしれないが、彼の容姿や家柄を見ていると、すぐに「スリザリン」と叫ばれるだろうと思った。だが、帽子は何か考え込んでいる様子で、しばらく沈黙が続いた。
そして、しばらくしてようやく帽子が「グリフィンドール!」と叫ぶと、広間が再びざわめき、マクゴナガル先生が咳払いしてようやく静けさが戻った。けれども、各テーブルからは未だにヒソヒソと囁き声が聞こえてくる。
驚いていたのは生徒たちだけではない。ゼロ本人も、まるで信じられないかのような表情を浮かべていた。
チユはそんな彼に興味が湧き、無意識のうちに彼をじっと見つめていた。
すると、彼の深いサファイアのような青い瞳と目が合った。
その瞬間、身体に電流が走るような感覚に襲われる。
「……っ」
思わず息を呑んでしまう。
そのとき、双子がニヤリと笑いながらからかってきた。
「どうした?まさかアイツに惚れたのかい?」
「どうやらウチの姫はハンサムがお好みのようだな」
ケラケラと楽しそうに笑いながら双子は言ったが、チユは頬を赤くして「そんなんじゃない!」と慌てて反論した。再びゼロに視線を戻すと、彼は居心地悪そうに身体を小さく丸め、下を向いていた。
