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ハリー・ポッターと笑わないお姫様【1】

第18章 目覚めの光


学期末の祝宴が開かれる夜、大広間の扉をくぐった瞬間、チユは思わず足を止めた。

天井には無数の銀と緑のリボンが揺れており、壁にはスリザリンの象徴である蛇が睨みをきかせている巨大な横断幕。
7年連続での寮対抗杯獲得を祝って、大広間全体がスリザリン・カラーに染め上げられていた。

すでにほとんどの生徒が集まっており、賑やかな声と笑いが飛び交っていた。だが、チユが一歩踏み出した瞬間、その空気がぴたりと止まる。

誰かが彼女に気づいたのだ。
その視線が、広がるように彼女に向けられた。

――沈黙。

まるで時間が止まったかのような一瞬。


しかし、それを破ったのは、やはり彼だった。


「おおっと!我ら獅子寮のお姫様のご光臨だぞ!」


大げさな声とともに立ち上がったのは、ジョージだ。彼の隣ではフレッドも同じく、手を大きく広げて芝居がかった動作をしていた。


「ようやく目を覚まされたぞー!拍手ーっ!」


ふざけたようなその声に、グリフィンドールのテーブルからどっと笑いが起きる。
次第に大広間には再びあたたかなざわめきが戻った。

チユはというと、突然の注目にわずかに目を見張ったものの、すぐに小さく肩を揺らして笑った。
そして、こちらへ手を振ってくれていたハリーたちを見つけると、安心したように歩み寄っていく。

小さく苦笑しながら、ハーマイオニーの隣に腰を下ろした。

その瞬間、ダンブルドアが現れ、大広間のざわめきがぴたりと静まる。


「さて――また1年が過ぎた!」


ダンブルドアがいつものほがらかな声で口を開くと、生徒たちの視線が一斉に壇上へと向けられた。


「ごちそうにかぶりつく前に、老いぼれのたわごとを少しばかりお聞き願おうかの。いやはや、なんという一年だったろう!少しでも、きみたちの頭の中に何か詰まったのならば、教師としてこれにまさる喜びはない」


周囲からクスクスと笑い声が漏れる。


「もっとも、詰まったものも夏休みにはきれいさっぱりからっぽになるやもしれんが……さて、寮対抗杯の表彰といこう。最終得点は以下のとおりじゃ」


ダンブルドアの視線がゆっくりと大広間を巡る。

「第4位、グリフィンドール――252点。
第3位、ハッフルパフ――352点。
第2位、レイブンクロー――426点。
そして、第1位は……スリザリン!472点!」


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