第6章 即ちそれ、“強豪”なる者たち
●藤堂 天● 〜東京体育館〜
もっと試合がしたい。
もっと強いチームと戦いたい。
もっともっと、経験値が欲しい。
意識せずとも、いつの間にか私の中に生まれていた“懇願”の数々。
なぜそう思うのか。
私には理由がちゃんと分かっていた。
・・・
試合…それもただの試合じゃなくて。
自分達より、遥かに強いチームと試合ができたのなら。
「きっと私たちは、全員で強くなれるから」、と…
* * *
それは、直前の準決勝の最終クォーターのこと。
史奈が3Pシュートを連続で決めた直後…
相手チームは、得点源(スコアラー)である史奈を徹底的に押さえ込んだ。
それに対して熱くなりかけた史奈。
そして、それを落ち着かせようと声をかけた愛華。
その結果…
「あたしはオフェンスには回らない!
ディフェンスに専念する!!」
?「なっ…?!」
そう言いながら史奈は。
自分の前に立ちはだかっていた相手選手の前に滑り込み、両手を広げて相手の進路を塞いだ。
それを見た相手の方は、驚きつつもそれに対抗するように。
ファウルにならない程度に、史奈と押し合った。
?「なんで?!あんた…
シューターなんだろ?!」
「今だけだ!今だけシューターから足洗う!!」
そうだ。
それがきっと正しい。
今史奈がボールを持つこと自体、チームの命取りになる。
だから、他の仲間にボールが回るよう。
相手チームの脅威を軽減させる役割に回った方が、チームのためになる。
それを、点取りのポジションである史奈が理解したその時。
「だからお前ら4人で、
さっさとゴール決めちまえ!!」
きっと私たちは、全員で強くなれる。
* * *
その後、私、紗恵、詩織と全員が、史奈をならってその時の戦況を自分なりに分析し。
そして、それぞれの役割を見出した。
これはつまり、どういうことかというと…
私たちは今日まさに、試合中に成長したんだ。