第5章 栄光の目前 〜決勝トーナメント準決勝〜
●藤堂 天● 〜東京体育館〜
ガシャンッ!!なんて音はしなかった。
その瞬間に聞こえたのは、そんな音よりももっと軽くて。
爽快で。
スマートな音だった。
私が放ったボールは、ブザーが鳴り響く中ゴールリングへと距離を縮め。
ブザーが鳴り切るよりも早く、ゴールネットを揺らしていた。
ブザーの中でも、しっかりと聞こえてきた。
スパッ!!という、ボールがネットをくぐり抜ける音が。
その直後だった…
試合終了のホイッスルが、会場に響き渡った。
それを合図にしたかのように。
10人の少女たちの争闘に、歓喜の声が上がる。
いや…5人か?
いややっぱ10人か。
会場に広がる賞賛の数々を。
5人で割るのは、さすがに分母が小さすぎる。
私自身、そこまで賛美は求めてない。
そもそも、自分に向けられた言葉なのかも怪しいしな?
その中で、唯一確信できることは…
今日もコートは、私たちのものだということ。
『勝っ…た…』
あぁ、確かだ。
勝った、勝ったぞ。
勝ち取った…!
ここで輝くのは。
私のチームだ。