• テキストサイズ

美しき銀の刃

第6章 綺麗な花にはとげがある


「旦那…?」

沖田がびっくりしているのにもお構いなしに、俺は出口へ向かった。

「おい、万事屋!救急車を呼ばねえことには…。」

俺は振り向かずに言った。

「…救急車なんざ待ってたら、こいつは確実に死ぬぜ。」

沈黙。そりゃあそうだ。

「…沖田君。」
「……へい、旦那。」
「ここらで真撰組の息がかかってて、なおかつ近い病院は?」

その答えはもうわかっていることなんだが。

「…大江戸病院でさあ。」
「だよね。」

俺は大江戸病院まで行こうと、足を進めた。

「待て、万事屋。」
「あ?なんだよ。」

そして、土方は意外な申し入れをした。

「…パトカーで送ってってやるよ。」

そのまま、パトカーに乗った。

―――――――――――――――――――――

何時間たった。

手術室のランプはやっと消えた。

「!緑さん!」

新八と神楽は、赤い目をこすって立ち上がった。

沖田も、もう晴れ上がった目をこすって。

先生がでてきた。

「…坂田さん。」
「はい?」

先生は俺の近くまでくる。

「…なんとか手術は成功させましたが、いまだ意識不明です。意識が戻るのは、相当な時間がかかるかと思われます。」
「…そうですか。」

それだけいうと、先生はどこかへ行った。

「…旦那、姉さん見てきてもいいですかい?」
「いいんじゃね?」

沖田や神楽達は、急いで治療室にはいって行った。

俺ものんびり入った。

~沖田SIDE~

ベッドの上の姉さんは、なんだか新鮮味を感じた。

姉さんの寝顔はとてもきれいだ。

なんていうか…、美しい。

チャイナはずっと姉さんの手を握ってる。

旦那はドアにもたれかかっている。

眼鏡と俺は、ずっと姉さんをみていた。

「うっ…。」

姉さんの声が聞こえた。

「みーちゃん!?」

チャイナがすぐに反応する。

「ううっ…。」

どうやら、意識が戻ったわけではないらしい。
/ 181ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp