• テキストサイズ

美しき銀の刃

第3章 己の中の魂


~山崎SIDE~

「姉…貴…?」

影から見ていた俺は、つい息をのむ。

あの姉貴が、旦那と並ぶくらい強かった姉貴が。

―あんな卑怯なやり方で――――

「と、とりあえず、あいつらのアジトはもうつかめてたし、姉貴助けるのも、時間の問題…。」

今助けたいが、俺は副長や隊長みたいに強くない。

「姉貴、待っててください、助けに…」
「助けに行きますって言いたいのか??」

やばいと思った時にはもう遅かった。

振り向いたとき、振り下ろしてきた刀をよけきれずに腹に直撃した。

「ぐっ…。」
「真撰組かあ~?情けないねえ~、まあ、このまま死ねや。」

そういわれていたときには俺はそこから離れていた。

激しい痛みに耐えながら走る。いや、正確には腹を思いっきり抑えながらの早歩きだ。

「てんめえ…、おい!早くそいつをやっちまえ!」

リーダーであろうものが叫んでいる。

それはかなりうしろだったが。

~土方SIDE~

屯所内が騒がしかった。

なぜか。それは今日来たあいつのせいだ。

「姉御まじ可愛くね?」
「可愛いっていうか、美しい!」
「なんかよお、天使って感じだよな。」
「旦那のとこにいるのがありえねえ。真撰組にきてくれたらいいのになあ~!!」
「お前ら、修学旅行生かあ!!!」

そのツッコミに驚いて逃げて行った。

「ったく…、なんであいつがあんなに人気なんだよ。」
「彼女は誰からも愛される感じだからな。」

後ろから近藤さんの声。

「……まあ、俺も嫌いではないな。」
「ほ~れ。」
「ちゃかすな。…あいつ、嘘とかつかねえだろ。」

そういってると、門のほうから人影がでてきた。

それは次第にゆっくりなっていき、そして門をくぐると崩れた。

「あいつ…。」
「山崎か!?」

近藤さんが急いで駆け寄る。俺もその後ろに続いた。

「おいっ!山崎!!」
「局……長……。」

そういうと山崎は気絶した。

俺達は急いで部屋へ行った。
/ 181ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp