【ヒロアカ】change the truth【R18】
第5章 個性
声を発した瞬間、喉がひどく乾いていることに気づいた。かすれた声は自分でも驚くほどか弱く、まるで何日も話していなかったかのようだ。
すると、隣に座っていた相澤先生がゆっくりと振り向く。包帯の合間から覗く瞳は、いつもの鋭い目つきではなく、心配と安心が混じり合った、見たことのない表情だった。
「目覚めたか」
低く落ち着いた声が病室の静けさを打ち破る。
安堵した私は、全身の力が抜けるのを感じた。
先生がこうして生きているーーその事実だけで、胸が熱くなる。
「お前は5日間目覚めなかった」
「そう.....なんですね」
状況をまだ飲み込めないまま、そう返すと、相澤先生はわずかに眉間に皺を寄せた。そして、包帯で覆われた腕を乱雑に動かしながら、感情を露わにする。
「俺はあの時、“自分の身の安全のことだけを考えろ”と言った!!!」
思わず息を飲む。普段の淡々とした先生からは想像もつかない激しさだった。しかし、すぐに自らその言葉を否定するかのように声を落とす。
「いや、違う。すまん......これが言いたかったんじゃないんだ。お前があの時行動してくれなかったら、俺はこうして今ここにいない」
自分に言い聞かせるような、掠れた声。その言葉が胸に深く沁みた。私はうまく言葉が出てこなくて、それでも先生に何か伝えたくて口を開く。
「先生が.....無事で、本当に良かったです。だけど、先生、包帯ぐるぐる巻きで.....痛いですよね。もっと早く、私......」
言い切る前に、どうしようもない胸の痛みがこみ上げてきた。先生が生きている安堵と、罪悪感が混ざり合って、涙が止まらない。身体が熱くなり、視界が揺れる。