第3章 私も行きたい!
--数年後
「ねぇ、ロマーリオ。そのケーキどう!?」
「おう、よく出来てるぜ。腕を上げてるな、お嬢」
キャバッローネファミリーの基地のとある一室。
永茉はロマーリオに問う。
「ほんと!!?」
「あぁ、そろそろボスも落ちるんじゃねえか?」
ボス、というのはキャバッローネファミリー10代目、ディーノの事だ。
そう、永茉はディーノに絶賛片思い中なのだ。
だがしかし、永茉は結構頑張ってアピールしているつもりなのだが、ディーノは全く気づく気配がない。
「そ、そうかなぁ。じゃあ早速渡してくるね!!ありがとう!!」
「おーう!行ってこい!」
私は部屋を出てディーノのいる庭へ向かった。
「ディーノ!!!」
「おー、永茉どうしたんだ、そんな急いで」
ディーノは中庭で部下のイワンと修行中だった。
「あ、あのね、その、、ね」
「ん?」
(お嬢、ファイトっす!!!)
ディーノは永茉に近づく。
(ひぇぇ、、かっこいぃぃぃ)
「ん?なんかいい匂いするな。」
「あの、さっき、ケーキ焼いたの。だから、ディーノに、食べて欲しくて、、」
声が段々小さくなる。
「お!そうなのか!じゃあ休憩すっか、イワン」
「そうっすね!せっかくなんでボスはお嬢と!俺はまだやることあるんで!(お嬢!頑張ってくださいね!!!)」
「そうなのか?程々にしろよ」
(い、イワンんん!!)
イワンは邪魔はせまいと永茉とディーノの元を離れる。
「じゃあ行こうぜ」
「う、うん!!!」
私とディーノは中庭を離れディーノの部屋へ向かう。
「はい、ディーノ!召し上がれ!」
「おう!いただくぜ!」
そういってディーノはケーキを食べてくれた。
「おお!うめえな!」
「ありがとう、コーヒーに合うように作ってみたの。」
私はディーノに入れたコーヒーを渡す。
「そんなことまでできるようになったのか?すげえな、永茉!」
ディーノは私の頭をぽんぽんした。
「えへへっ」
あぁ、やっぱり大好きだなぁ。
そんな幸せの空間に1人の人物が、、
「邪魔するぞ。」