第10章 お花見
「永茉、ちょっといいか?」
「ディーノ?どうしたの?」
ディーノは永茉に声をかけた。
「あぁ、実はな。そろそろイタリアに帰ろうと思ってんだ。」
「あ、そっか。もうそんなに経ってたんだ。」
永茉とディーノが来日してからもう3ヶ月以上が経っていた。
「名残惜しいが、年もこっちで越しちまったしさすがにそろそろ帰れらねーとな。」
「そっかぁ。じゃあみんなともしばらくお別れだね。」
「寂しいか?」
「そりゃぁね。」
永茉がそういうとディーノは黙り込んだ
「?ディーノ?」
「永茉、前から決めてたことがあるんだ。」
「??」
「お前、日本に残れ。」
「!!」
ディーノの言葉に永茉は雷が落ちたかのような衝撃が走った。
「な、んで、、」
永茉の声は震えている。
さらに目にも大量の涙が溢れていた。
「お、おい!泣くなって!!」
ディーノは永茉の涙に昔から弱く、いまだに慣れていない。
「永茉、聞いてくれ。」
ディーノは泣いている永茉を抱きしめた。
「永茉がウチに来てずっとムサい連中と城にいただろ。学校に行かせてやりたいと思ってた。並盛ならツナたちがいるし、寂しくないだろ。」
「、、、」
永茉は何も言わない。
ただただディーノのTシャツが永茉の涙で濡れていく。
「ディーノ、私、邪魔、?」
「ちげーよ。オレは永茉にマフィアなんかと無縁な生活を送れるよーにしてやりてーんだ。」
「そんなこと、しなくていい。」
「何言ってんだ!」
「だって!ディーノと一緒にっ、いたいっ、、!!」
「っ!!」
泣いてボロボロになった永茉の顔を見て胸がギュッと締め付けられた。
そして永茉をさらに抱きしめた。
「オレもな、永茉がいないと嫌だよ。」
「!!」
「だけどな、永茉にしか頼めねぇ。ツナを支えてやってほしい。」
「、、わかった。」
「ありがとう。」
永茉は渋々ディーノの頼みを飲んだ。
「じゃあこれ渡しとくな!いつでも電話してこい!」
ディーノは永茉にスマホを渡した。
「ディーノ、時差って知ってる?」
「、、あ。」