第9章 雪合戦
「ねえ。」
永茉は耳元で聞こえた声に肩をビクッと震わせ、振り返った。
「ひ、雲雀くん!?」
「雲雀さん!!」
「説明してくれる?コレと、あそこのでかいカメ。」
雲雀の手にはレオンがいた。
「いや!あの、、!!」
(なんで日曜日に雲雀さんが!?)
「その子を捕まえたら勝ちの雪合戦してたの。」
永茉は雲雀の片手に乗っているレオンを指差して答えた。
「ふーん。」
「雲雀くんはどうしたの?」
(永茉さん雲雀さんとフツーに話してるーー!!!)
「せっかくの雪だからね。雪合戦でもしようと思ってね。」
「1人で?お友達いないの?」
「咬み殺すよ?」
(永茉さん煽ってるーー!!)
ツナは永茉と雲雀のやりとりに引いている。
「応接室にいたら騒音が聞こえたからね。注意がてら群れる標的に一方的にぶつけようと思って出てきたのさ。」
(なんでこの人捕まんないのーー!!?)
「物騒な遊びしてるのね、、」
「キミも混ざるかい?」
「遠慮しておくわ。」
永茉は動じず雲雀と普通に話している。
「ここで会ったのも何かの縁だ。今日はキミを標的にしようかな。」
と言った雲雀の視線の先にはツナだ。
「えっ!!そんなっ!!」
「ちょ!!雲雀くん!!?」
雲雀はレオンを投げるフォームに入る。
永茉はツナを守りたいが腰に腕を回され、腕を掴まれ拘束されている状態だ。
「ひぃぃ!!!」
ツナは咄嗟に近くにあったものを拾って盾にする。
「と、思ったけど風紀委員の仕事が溜まってる。またね。」
「えっ!ちょっと!」
雲雀はレオンをツナに返したが、永茉を手を離さず連れていった。
「赤ん坊、この子借りるよ。僕の勝ちだからね。」
「!!!」
雲雀は永茉がさっき言った言葉を覚えていたようだ。
「あぁ、いいぞ。」
リボーンはニヤッと笑った。
永茉が雲雀に連れてこられたのは応接室だった。
「じゃ、これ手伝って。」
「え??」
雲雀から渡されたのはたくさんの紙だった。
「何これ。」
「仕事だよ。」
「え、、、」
永茉は雲雀の満足がするまで風紀委員の仕事を手伝わされたのだった。