第3章 第一章「任務フォーア・シュピール」
「おい! あいつらランクが青だぞ」
「嘘だろ……」
千尋と薫は否定したいが腕輪は何度見てもランクは青。
否定したいのは僕も同じだ。けど、僕は会社で基本デスクワークをして腕輪の偽物が作れないようにしたりとかしていた。あれが偽物のはずがない。
「残念だけど俺らは本物だ。一応言っておくけど、契約してるのは日本の会社じゃないから」
「ねぇ、リューク。これが7TMS? あまり強くはないのね」
皆が本気でかかってきてあまり強くない? そんなはずはない。7TMSと上位ランクでかかったんだ。
自然と怒りがわいてくる。
「そんなことはない!」
「そう? それなら見せてよ貴方達の本気。まぁ、そこの貴方は本気では無いのでしょう?」
「そんな事はーーー」
「嘘つき」
ない。そう言いたかったのに遮られてしまう。
僕は本気をこの子のいうとうり出していないかもしれない。
「おい! 父母院! 何泣いてるんだよ」
「え……」
頬に手を当てようとする。けどそれは僕の頬に当たらずリュ―クの手に手を取られる。
「御免。泣かせるつもりは無かったんだ。紫も悪気は無かったはずなんだ」
その手は僕の頬に当てられ涙を拭う。
紫と言うのはワンピースの少女の名前だろうか。
千尋、薫それに怪盗団まで驚いたようにこちらを見ている。
「あ……の…………」
「そろそろ行かなきゃ。じゃあ」
「待って」
「『またね』」
そこから僕の意識は途切れた。