第2章 閉じ込められた生活
私は甚爾さんの言葉に頷きながら、胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じていた。だけど同時にその温かさが怖かった。私の世界はずっとここに閉じ込められていて、それが普通だと思い込んでいたのに、今こうして誰かに「自由」という選択肢を与えられると、心がざわついてしまう。
「サラ、また来るよ。何か欲しいもんとかあるか?」
「……お花が見たいです。生きてる、外の花。」
自分でも驚くようなことを口にしていた。だけど、それはずっと心の奥に沈んでいた願いだった。
「花か。任せとけ。」
そう言って、甚爾さんは少しだけ微笑み部屋を出て行った。