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~たゆたううたかた~【禪院直哉/R-18/短編集】

第5章 ごっこ遊び 【禪院直哉】



このまま…この花魁衣裳を
1泊2日でレンタルできるらしいので。
花魁らしい高下駄を…貸して貰って。

直哉様も…元の紬に着替えていたんだけど、
髪の毛はアレンジして貰ったままで
イケメンモードのままの直哉様で。

スタジオのスタッフの人に見送られて、
危ないからと手を貸されながら
今居る通りは車が入れないので
車が迎えに来て居る場所まで
直哉様にエスコートされて。
履き慣れない高下駄に
四苦八苦しながらも…車まで移動した。

『みぃんな…道行く人たち
ちゃんの事見とったで?』

「こんな格好で歩いてたら
私だって物珍しさに見ますって…ッ」

『そら…こないべっぴんさんの
花魁居ったら、誰かて見てまうよ』

「化粧と…衣裳の所為…です…よ……」

『あっち着いたら脱がせたるわな?
だって…花魁脱がせられるなんか
普通やったら経験でけへんやん?
さっきのスタジオみたいな感じの
派手なラブホテルがな、伏見にあるねん』

さっきの花魁体験スタジオ…
かなり派手な…撮影スタジオだったけど。
そんな感じの…ラブホテルが
伏見区の方にあるのだと直哉が言って来る。

祇園の近くの…スタジオからは
車で30分掛かるか
掛からないか位の場所に、
その派手なラブホは…あったのだが。

「ちょ…、あそこですか?」

ラブホテルの外壁に大きな
阿吽の像の様な……金剛力士像か
何かが模した物が2体と。
ステンドグラスの様に、
原色の色合いが華やかな
日本の伝統和柄が…ライトアップされていて。

駐車場に車が停車して降りて
京都 ロータス ゴージャスジャパン
と言うラブホテルの内部に入ると。
入口入ってすぐの場所に
時代劇のお殿様が乗ってそうな
白馬が…出迎えてくれて。

玉砂利を敷いた…川を
朱塗りの橋で渡った先に
お部屋を選ぶパネルがあって。

その先の通路には…
砂利と飛び石が設置されていて。
片側の壁には…カラフルな提灯が
色とりどりの色の光を放っていて。

『なんや、毎日が
祭りみたいなラブホやなぁ…』

その先にも…伏見稲荷の
千本鳥居の様な…朱塗りの鳥居が
何本も建てられている通路もあって。

そこを…私は、こんな格好で…
歩ている不審者…でしかないんだけども。


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