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蜜✖️蜜ラバー 〜お嬢様は、溺愛調教中!!〜

第2章 交際宣言致します



「…………なんでもない」



「…………なんでもない、ね」

「え」


あれ。
今。
一瞬加賀谷の顔、曇ったような…………。



「…………」



しかも。
沈黙、とか。
この空気ちょっと、耐えらんない。
久々に加賀谷とふたりきりになれたのに。
言葉が出てこない。
たくさんたくさん、言いたいことはあったはずなのに。




—————ドォ…………ン!!




あ。


沈黙も空気も何もかも打ち消すように、花火大会開始の花火が夜空に大きく光った。


「加賀谷!!花火!始まったよ!」



その瞬間を加賀谷と共に見れたことが嬉しくて、子供みたいにはしゃぎながら加賀谷の袖を掴んで見上げれば。
ふ、て。
花火の灯りが遮られた、と思った瞬間。
唇へと暖かい体温が、触れた。


…………え。


今。
これ。



「加賀谷!!」



キス、された。
って、頭が理解した瞬間。
思わず反射的に加賀谷から距離をとる。


「こんな、とこで!!誰かに見られたら…………っ」


組の、人だっていっぱい…………。



「別に構わない」
「あたしは構うの!!」


あ…………。




違う。
違うの。
加賀谷。
今絶対加賀谷誤解してる。
違うから。
そんな顔しないで、加賀谷。
そう思うのに。
言葉が出てこない。


「かが…………」


「戻りましょう、お嬢」


…………伸ばした手。


今。


加賀谷、絶対今気付いたはずなのに。
気付かない、フリ、した。
浴衣の袖の中に両手隠して、加賀谷の視線はたぶん取っておいた優先席の確認。


終わっちゃう。
せっかく加賀谷との時間取れたのに。
終わっちゃう。
こんなのやだ。
このまま終わるの、やだ。
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