第8章 8
ベランダにそっと下ろされて手の甲にまたキスをされる
「俺……決めた」
口調は快斗、なのに不敵に笑うその顔はキッドで
「なにを?」
無言で手を裏返し
「ワン、トゥー、スリー、(ポンっ)」
手のひらに一枚のカードと誕生日にいつもくれるライトブルーと白の薔薇の小さな花束が現れた
「え、、、これって」
顔をあげるともうそこには誰もいなくて
部屋に入りベッドに腰掛けカードを裏返す
これから先
貴方の心を盗みに参ります
なので誰かの宝石箱に入れてしまわれないよう充分お気をつけください
いつでもその宝石箱を開ける手立てがあるのですから
怪盗キッド
頭の中にはハテナがいっぱいで
だってそうでしょう?
さっきの青子の誕生日プレゼントだってそうだし
快斗と青子は思い合ってて
私は邪魔者で
快斗の気まぐれ?
いつものセクハラの延長?
余計に混乱してきた
私は一体
どうしたら良いんだろう
fin8