第1章 1
一昨日の出来事を思い出してまたちょっとムカムカしてきた
「やっぱりあの連れて行き方はなかったよ。もうちょっと考えてよ。絶対パンツ見えてたし」
あの後熱が更に上がったことで言えなかった文句を一昨日越しに言うとちゃんと手で押さえて見えないようにしてたから大丈夫だと言い張るこのバカ
それってつまり
「熱で意識が朦朧としてる女子生徒にセクハラ行為で逮捕」
「下手なタイトルつけてんじゃねぇーよ
俺がナイスキャッチしてなきゃオメェ今頃脳震盪起こしてたろ。少しは感謝しろよなー」
うん
感謝してるけど
いっそのこと脳震盪でも起こして前世なんて忘れたかったかな
そんな事を思いながら「感謝してるよ。いつもね」と曖昧に笑って見せた
快斗は何か思うところがあったのか少し考えていたが(あ!そうだった!)とポンっ!と手のひらからライトブルーと白の薔薇の小さな花束が出てきた
「青子が最初じゃなくて悪かったな。誕生日おめでとうゆり」
冒頭で言った私の皮肉に文句を混ぜながらニシシッといつもの笑い方で花束を私の膝の上にそっと乗せる
あー
厄介だな
なんで思い出しちゃったんだろ
いっそのことやっぱり頭でも打ちたい気分
だってそうしたらもしかしたら忘れられるでしょ?
この微熱のような恋心も
1.fin