第40章 32
シンガポールから帰り私は
めちゃくちゃ忙しくしてた
学校での制作作業もストップして
仕事は山積みで
暫く快斗とも青子とも会うタイミングがなく
やーっと全てをやりきった時
青子から夜ご飯のお誘いが
中森宅
「やーっと終わったー!」
「学校忙しかったの?」
青子が目の前にお茶を置いてくれたのでありがたく頂く
「そうなの!ちょっと溜め込みすぎちゃった」
「ゆりって、もう立派に社会人だよね。ほんとすごいよ」
確かに最近はもう学校の課題というよりは仕事の依頼で追われてる
「でも私のクラスはみんなそんな感じだよ。もっとちゃんと働いてる人もいるし。…まぁ、私はやりきれる数が少ないからまだまだね」
といっても私は[キッド]を優先しているのでなるべく減らしているのが現状
「でもちゃんとお給料は発生しているんでしょ?やっぱりすごいよ」
確かに給料は特殊な仕事のおかげかそれなりに貰える
青子があまりにも[尊敬]の眼差しで見てくるので(ありがとう)と素直に笑った
そして青子と一緒に夜ご飯の支度をしていると青子のパパが帰ってきた
「あ!お帰りなさい!」
「おー。なんだゆりちゃん来てたのか」
そう言ってリビングの机に新聞紙を置きドカッと床に座った
「お父さん今日早いね」
「あー。今日はな。…悪いが青子。また明日からちょっと忙しくなるんだ。コレの所為でな」
イライラしながら新聞紙を広げてキッチンにいる私達に見せる
[怪盗キッドに挑戦状!!
盗れるもんなら盗ってみろ!!]
でかでかとそんな見出しが書いてあり鈴木次郎吉の写真と宝石の写真が載っていた
「まーたあのお爺さんキッドに喧嘩売ってるの?」
呆れた声でそう言う青子
「ああ。おかげでこっちは明日も会議だ。全くやってられねーな」