第37章 29
某日
空港
「いーのによー。見送りなんて」
ちょっと照れてる快斗がそう言う
「嘘。嬉しいくせに♪」
両手を握って覗くと満更でも無さそうだった
「私も行けたら良かったんだけど」
「しょーがねーよ。涼パパを納得させる手立てがなかったからな」
そうなのだ
今回は函館と違って国外。ニューヨークなのでさすがのパパも首は縦に振ることは無かった
「まぁ、今回は観光する暇もねーし。海外旅行は次回に持ち越しだな?」
ニカッと笑う快斗に(うん)と頷き背伸びをして耳元に口を寄せる
『待ってるね』
そのままほっぺにチュッとするとそこを摩りながらムッとする快斗
「だーから///人前でやんなって//」
「えへへ♪…銃社会だから気をつけてね?今以上に!、、、ジーちゃんもね?無理しないように!」
「ありがとうございます。ゆりさんも私たちがいない間、くれぐれもお気をつけて」
何を気をつけることがあるのだろうと首を傾げると快斗はため息をついた
「じいちゃん。ゆりに何言ったって無駄なんだよ。自覚がないんだから」
「ん?どういうこと?」
なんのことかさっぱりすぎて快斗を見つめると少し赤くなった
「……んあー!!////いい加減にしろよ!いーか?俺いない間あんまフラフラすんじゃねーぞ!」
そう言って両肩をポンと叩かれたので思わず(はいっ!)と答えてしまう
「んじゃっ!行ってくんな!」
返事に満足したのかそう言って快斗はジーちゃんと搭乗口まで向かっていく