第3章 3
「落ち着いたか?」
そう言ってぽんぽんといまだに私の後頭部を撫でながら聞いてくる快斗
「………うん。、、、鼻水ついちゃった」
「きたねーな」
そんな事思ってなさそう
手の動きは止める気がないから
「ティッシュちょうだい」
あんまり泣き顔を見られたくなくてしがみつきながら快斗にティッシュを要求すると何枚か出して手に渡してくれた
下を向きながら何とか鼻をかみ伝った涙を拭いて、(ありがとう)とお礼を言う為に上を見上げる
思ったより近距離にあった快斗の整った顔を見て思わずポロっと出てしまった
「……好き」
「え?」
沈黙が続いてた気がする
でもそれはもう止める事が出来なくて
そっと唇を合わせてしまっていた
自分の行動に気付いてしまった時にはも遅くて
固まってる快斗をみて改めて[私じゃない]と思った
「快斗、、、ごめんね。つい出ちゃっただけなの返事はしないで。お願い」
もう顔を見る事は出来なくて涙で濡らしてしまった快斗のシャツをギュッと握った
なんてバカな事をしてしまったのだろう
だから、離れて欲しかった
だから学校も別のところに行くのに
もう幼馴染としてもダメになっちゃうかな
「ゆり、「お願い快斗、普通にしてて」
なにか言いたげだったのを遮る
「、、、、、たくっ。しゃーねぇーな!でも」
そう言ってシャツを握っていた私の手を取り甲にチュッとリップ音を鳴らして口付ける
「次はとらせねーからな」
そう言ってニカッと笑った姿は前世の頃に見た漫画にいた黒羽快斗いや、[怪盗キッド]そのものだった
3.fin