第28章 23
Romeo
Juliet
Victor
Bravo!
26の文字が飛び交う中
"運命の宝石"を
いただきに参上する
怪盗キッド
ガチャ
「んだよゆりまーたそれ見てんのか」
私の部屋に勝手入って来て見てるものを見てそう言う
(あいママが持ってけって)と渡されたコーヒーをフーフーとしながら
「だって、楽しみなんだもん、、函館デート♡」
「デートって……まぁ、予告のついでに?って言ったけどよー」
そう言ってドカッと隣に座って私が見てた函館観光誌をパラパラ捲る
そんな快斗の腕の中にさっと潜り込む
「初めての旅行だよ?…パパにも感謝しないとね?説得してくれてありがとう。快斗」
チュッと頬にキスするとその時の事を思い出したのか苦笑いをする快斗
「えっ?!りょ、旅行?!」
うちに夕飯を食べに来ている時に意を結してお願いする快斗に驚きを隠せないパパ
ママはなぜかニコニコしている
「あら〜!いいじゃない♪それでどこに行くの?」
「函館だよ♪パパとママのお土産買ってくるから楽しみにしてて」
「函館はね!ママも昔行った事あるわぁ」
うっとりし始めるママの横には[心配]を貼り付けた様なへの字眉毛のパパ
「快斗くんっ!」
「は、はいっ!!!」
私の隣には背筋をこれでもかというほどピンと伸ばして座ってる快斗
心の中で頑張れ!と応援する
「くれぐれも!く、、くれぐれも!、うっ」
そこまでしか言えないで泣き出すパパ
「もうー!パパったら本当に心配性なんだから。でもそんなパパも可愛くて好き」
惚気るママを珍しく放っておいて尚も快斗を見るパパ
「ゆりとの関係はもう認めてるし大事にしてくれてる事はわかってる!、、、わかってるんだけどどうしても」
(行かなくてはダメなのか)と涙を拭うパパにちょっと呆れ顔の私
「今日はとことん付き合いなさい!快斗くん!!ゲームのビリヤードで勝負だ!!」
そういってパパが酒でぐじゃぐじゃになるまで付き合わされた快斗