第25章 21
カフェ
「おぉ!待たせたな!」
コーヒーを飲んでる私の目の前に座った快斗
「お疲れ様さま。どうだった?(下見)」
「あぁ、まぁあれだな。大賑わいってところだ」
て言う事は
警備が厳重って事
「じゃっ、帰るか!」
そう言って手を差し出してきたので迷わずその手を取り立ち上がる
「明日楽しみー♪[マルスとローザ]」
明日は青子パパに頼み込んで3人で予告現場の舞台を見にいく予定
「青子のこと頼んだぞー」
「うん。任せといて」
ギュッと手を握りながらそう言うと優しく握り返してくれた
翌日
「わぁぁ!素敵な劇場!!」
キョロキョロしながら喜ぶ青子
「ねぇ見て!ゆり!これって屋根が開閉式なんでしょ!!………あーー!あれって俳優の田村さんじゃない?!あ!見てみて!アンアンもいるっ!!すっごぉーい!有名人ばっかり!!」
有名人、青子の隣の隣に座ってるよ(キッド)
とは言えないので苦笑いで返す
「楽しみだね♪……ってなによぉ!その顔は!」
快斗のジト目が癇に障ったのかムッとする青子
「快斗がこの劇みたい!って言うからお父さんに頼み込んでチケット貰ってあげたのよ!もっとありがたそうな顔しなさいよ!」
(へいへい)とありがたくなさそうな顔をする快斗
そしてパンフレットを見てキャスト欄を目で追う快斗
その時青子がフフフッと我慢できなかったのか吹き出した
「なに笑ってんだよ」
「だって意外なんだもん!快斗がこんな芝居を見たがってたなんて。舞台は中世ヨーロッパ。敵対する国同士で産まれた王子と王女が数々の生涯を乗り越えて最後には結ばれる。完全なラブロマンスよこれ!」
「え?快斗知らなかったの?」
調べてるのかなって思って言っていなかった
快斗はびっくりしてちょっと赤くなっている
「まぁ、照れちゃって!………あ!わかった!なーんだ!最初からそう言ってくれたら良かったのに」
「んあ?」
「ゆりとデートとして来たかったんじゃないの?言ってくれれば私は遠慮したのに!」
ニヤニヤ笑いながらだいぶ勘違いして言う青子
「私は3人でも充分嬉しいよ♪大好きな2人に挟まれて幸せ♡」
2人の腕に両腕を絡ませて微笑む
「私もっ♪」
そう言って微笑みあっていた横で快斗はため息をついていた。