第22章 19
カラカラカラカラ
「快斗こっちにいるのー?」
姿が見当たらなくて隠し部屋に入るとトランプを切りながら何やら闘志を燃やしていた
「え………もしかして売られた喧嘩。買っちゃう系?」
スマホのニュースで鈴木次郎吉さんが怪盗キッドに宣戦布告してたのを見て心中穏やかではないだろうと、とりあえず美味しいアイスコーヒーでも買って行くかと思い持ってきたところだった
「サンキュー。……そのつもりなんだけど、並大抵の手は通用しそうにねぇし」
チューーっとひと息でたくさん吸って飲み込みサイドテーブルに置いたと思ったらまたいつもの集中モードが発令されたので私はそっと隠し部屋から抜けて快斗のベッドでゴロゴロしながら本を読んでいた
カラカラカラカラ
「うーん。どうしたもんかねぇー」
隠し部屋から出てきた快斗はそう言いながらベッドに腰掛けうつ伏せになって本を読んでる私の太ももをさわさわしてきた
「おまわりさーん!痴漢でーす!」
触ってる手の甲に人差し指を突き刺す
「いでぇー!!……んだよぉ。いいじゃねぇーか。ちょっとくらい」
「快斗がちょっとですんだ試し一度でもあったっけ?」
本をぱたんと閉めて起き上がり顔を近づけてそう言う
「………ねぇーな」
「素直でよろしいっ!………ところでプランが思い浮かばないの?」
犯行プランでこんなに悩んでる事はあんまりなくて
珍しい
「そうなんだよなー。いつもと違ったパターンだしよー」
今回は自分からの予告じゃない分考えることが多いのだろう
翌日
学校帰りに快斗と待ち合わせをしてブルーパロットへ向かう
「まだ決まらないの?」
「そう簡単にはなー」
未だにどうしようか考えあぐねる快斗
「ふーん」
アイスコーヒー片手に手を繋ぐ
「うおっ!なんだよ///」
「今更照れるの?ww」
「べっつにいーじゃねーか」
照れ隠しなのかそう言う快斗