第2章 2
土曜日
「あら?今日は青子ちゃんと快斗くんと映画じゃなかった?」
リビングでコーヒーを飲むママの前に座って「気分じゃなくなったの」と言うと何かを思ったのかコーヒーを飲むか聞かれたので素直に頷いた
「ゆりも14歳とはいえ大人になったわね」
「体のこと?」
そう言って自分の体を見る
ここ最近発育が良いのか今までスラッとした体型だったのがいつのまにか胸も膨らみ肉付きも良くなった
目下の悩みは太らない様に気をつける事とムダ毛
どうしてもこれは大人になっても悩むことだよなと前世を思い返した
「んー。それもあるけど。コーヒーだっていつのまにかブラックだしね」
私の前にそっとマグカップを置いてさらにチョコレートを何粒かくれた。ちゃんと私を思ってか70%のやつだ
「そんなに早く大人にならないでね?ママは寂しい」
ちゃめっ気たっぷりに言うママはいつまでも綺麗で可愛くて。本当に理想の大人
「パパなんて最近晩酌中は必ずゆりに変な虫はついてないかの確認してくるんだから」
隠すの大変なのよ?とそんな事を言うのはママは私が快斗に恋してることに気づいているから
「バレたら快斗。出禁かな」
「それは確実よ」
ズズーっとコーヒーを啜りながら言うママ
「でもね、パパはきっと快斗くんならしょうがないかとも思うはずよ。だって快斗くんゆりのこと大事にしてくれてるじゃない」
ママそれは違うよ
それは幼馴染だから
快斗はね、この先大きな試練があって
そんな中、青子と小さな恋の花を大きく育てていくんだよ
そんな事は言えなくて視線をチョコレートに移し一粒頬張る
ほのかにビターでしっとり甘みが舌に絡みつく
まるで今の私の様だ
2.fin