第21章 18
「快斗ー?開けるよー?」
ガチャ
中々返事のない快斗の部屋の扉を開けると千影ママとオンライン電話中だった
「ああっ!助かった!ゆり!ちょっとここ座って!!」
そう言って急いで私の両肩を後ろから持ちそっとデスクの椅子に座らせる
「母さん!後はゆりに話聞いてもらってくれよ!!俺これから行かなきゃなんねーんだよ!」
「ちょっと快斗?こんな時間からどこに行くのよ!しかもゆりちゃん置いて!!浮気なんて許さないんだから」
ぷりぷりする千影ママに苦笑いする私
「だぁから言ったろー?今日は怪盗キッドになる日なんだよ!」
そう言って慌てた様子で隠し部屋に入って行くのを見送った
「……あら?ゆりちゃん知ってるの?」
「ああっ!千影ママに言ってなかった?!快斗てっきり言ってるのかと「(カラカラ)あー。そういや言ってなかったわ」」
そう言って割って入ってきたのはキッドの格好をして隠し部屋から出てきた快斗
「やだ〜!そういうのは早く言いなさいよ!!そしたら!ゆりちゃん!私とお父さんの馴れ初めの話から聞いてちょうだいぃ!」
『頼むなっ!』
申し訳なさそうに耳元で囁いてくる快斗
「うん。気をつけてね。インカムつけとくから」
そう言って新調した小型のピアス型のインカムをつける
そして快斗は私の後頭部にチュッとキスして立ち去った
「あら〜。快斗もお父さんに負けず劣らずやるわねぇ」
ニコニコしてそれを見守る千影ママの存在を思い出しハッ!と赤くなる
「あらあら♪」
「そ、それよりも///馴れ初め話聞きたいです!!」
そう言って千影ママと盗一パパのスリリングで素敵なエピソードをたくさん聞かされる事になる