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最後のマジック

第20章 17







ファサッ

柔らかくてひんやりした感触でゆっくり目を開ける

眠っていた訳では無かったけどずっとふわふわした感覚で何となく目を閉じていたのだ


ついさっきまで快斗のベッドの上で散々愛されていたはずなのに何故か今は自分の部屋にいる




そうか

快斗が運んできたのか

そう思って声をかけようと思ったのだが声が掠れて使い物にならない

そんな時快斗からまた深いキスをされて


えぇー。また?しかもここはママもパパも居るからやだ

そんなことが頭によぎったがそれは杞憂で
ドクドクと喉に強制的に流れ込んできたのが水だってすぐに気がついた




「オメェが、あんなことするから////………でも、やりすぎた。悪りぃ」
唇離して罰が悪そうに言う快斗に笑いかける

「いーの。私も愛されたかったから」
ボボボッて音が聞こえそうになる程赤くなる快斗



「ほんっとによー///勘弁してくれ」
私のおでこにチュッとしてベランダに向かう

「んじゃ!おやすみ」
そう言って音もなく消えていったのを確認してまた目を閉じる














次の日

「見送りに行けなくてごめんなさい」
今日は珍しく電話での会話

「いーよ。別に、…つーか。責任は俺にもあるから」

俺にも

ていうか、[主に]快斗の所為だとは言えないので言葉を飲み込んだ

昨日の劣情によりもれなく私は全身が鉛を纏ったかの様に重いので今日は1日家でだらだらする事に決めた

「もういいの。快斗の性欲は身にもっていつも自覚してるから。私も焚き付けたところあるし」







本当は

あれを最初にしておけば少しは回数減るかな?という魂胆もあった

でもそれは大失敗で

朝起きた時の身体の重さでやってしまった感が一気に目の当たりした



『絶倫男』

「ん?なんか言ったか?」
ぽそっと。聞こえない程度に言ったのに直ぐに反応する快斗
そんなところで怪盗の能力フル回転するな


「なんでもなーい」

「コンヤロー。ちゃんと聞こえてたからな」
聞こえてんじゃないよ。全く。と思ったけど、揉める気もないしこの後彼は大きな仕事があるので、(気をつけて。いってらっしゃい)といつもの常套句を並べて電話を切った






そして私はこの時


何で無理やりついて行かなかったのだろうと


直ぐに後悔することになる



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