第18章 16
「はい。世紀末の魔術師さん」
夜中に部屋に侵入してきた快斗にホットミルクを渡す
「お!サンキュー。今日はコーヒーじゃねーのか」
「もう夜中でしょ。それに明日から大阪じゃない」
そう言って隣にピッタリくっつくと一口飲んだホットミルクをテーブルに置き私の両脇に手を入れ向かい合わせになる様に抱きしめる
「(すーっ、はーっ)あー。このモフモフとも暫くお預けかー」
私の胸に顔を突っ込んで思い切り深呼吸する快斗
「ば快斗、変態」
「そんな俺が良いだろー?」
顔を上げてニヤつくこいつは本当にあのキザな紳士的な怪盗なのかと一瞬悩ませる
でもそんなところも可愛いなんて思ってしまう私はきっともう快斗の宝石箱ってやつにしっかり鍵をかけて閉じ込められているのだろう
「やっぱり私も行きたい」
「え?」
なんだろ
またざわざわした気持ち
「寂しいのかな?」
また[女の勘]なんて言われたらはいはいってあしらうだろうなって思ってそう言った
寂しいのは本当だしね
「(はぁぁぁぁ)………今から俺の部屋連れてってもいーか?」
大きなため息をついた後ちょっと低めにそう言うのは多分
「///したくなっちゃった?」
「ちっ////今すぐ襲われたくなけりゃそのまま捕まってろよ!」
突然立ち上がり抱えられてベランダに向かいさっさと飛び降り快斗の家まで連れて行かれる
「明日、早いんじゃ?!」
「あんなこと言われたら無理だろ///覚悟しろよ」
こっちを見ずにそう言う快斗は少し赤くて
あーこれ
ダメなやつだ
絶倫男の変なスイッチを入れてしまった事に後悔した
fin16