第14章 13
時計台にはもう快斗はいなくて全身の力が抜けてその場に座り込む
「ここ、青子と初めて会った場所なんだよ」
そう言って突然現れて私の隣にしゃがみ込む快斗
涙が溢れ出しそうなのを堪えて我慢する
ふと青子のいる方へ目をやると寂しそうな青子が立っていた
「行ってあげて」
「え?」
「でも、ちゃんと帰ってこないと許さない」
立ち上がって快斗の背中を押す
「私の大事な幼馴染、笑顔にしてきて」
ぽろっと一粒涙が出たのを見て立ち止まる快斗
そして私の涙を親指で拭う
「バーロォ、お前置いて行けっかよ」
そう言って私の手を繋ぎ青子の前まで連れて行き青子に青い一輪の花を差し出す
「俺黒羽快斗ってんだ!よろしくな!」
そう笑顔で言った後、私の手のひらにいつものライトブルーと白の薔薇の小さな花束を出す
「ゆりはこっち」
花束をギュッと抱きしめて思わず顔が綻びる
「ありがとう、、大好き」
「青子もゆり大好き」
えへへっと2人で笑いあう私と青子
「おぉい!ゆり!俺は?!」
焦る快斗を放っておいて帰りに美味しいもの食べてから帰ろう!と恵子も誘い3人で歩いてる後ろに快斗もついてきた
少し歩幅を遅くしこそっと快斗に耳打ちする
『1番大好きだよ』
そのままほっぺにチュッとキスしてすぐに青子と恵子の元へ戻る
「たくっ////」
真っ赤になってる快斗をチラ見してフフッと思わず笑った
fin13