第9章 慶/安いもんだ＊坂田銀時＊

全てにおいてやる気の削がれた俺は黙ってテレビを見ることにした。だってチャン怒ったら本気で喋ってくれねぇし。これ以上絡んだら銀さん確実に嫌われるし。

「あ、」

ランダムにチャンネルを変えていると、見つけてしまった。結野アナを。







『銀ちゃんの…、バカ！』

頭をクッションで殴られた。どうやら俺はかなり食いついてテレビを見ていたらしい。つーか、「バカ！」って！……チャン、カワイ過ぎんだろォオォオオオ！！！

何クッション、バフッてしちゃってんの！あんま威力ねぇよ！それよりも可愛さの威力上がっちまってるよ！









『キラーイ！もう、嫌い！！』

「わ、悪かったって！」

この子何なの！嫌いとか言ってるけどこれ絶対ヤキモチだろ！

あ、おい今引いたな？「自意識過剰だよ。」って引いただろお前ら。んな事思われたって俺は痛くも痒くもねぇぞ！








「ほ、ホラ！結野アナが桜が週末見頃ですよーっつってたから、チャンと花見でも行こうかなーって思ってたんだよな！うん！」

『………ホント？』

「ホントホント！行くか！な？」










＊ ＊ ＊











言った。うん、言った。
チャンが『しょーがないなー』って言いながらはにかんだんだわ、その後。おい、待て。チャン、カワイ過ぎんだろ。