• テキストサイズ

All is Dream Box【春パワー全開】*短編集

第8章 さな/【テニプリ】4章 宣戦布告




理由を聞かれると上手く答えられないけど、いつか必ずあの二人は試合をするだろう…そんな気がしたのだ。

「…あ、花びらついてんで。」
「本当?どこ?」
「取ったるわ。」

忍足君の手が私の髪に触れる。
一瞬で終わるかと思ったけど、なかなか手を離してくれない。

「?まだ付いてるの?」
「いや、綺麗な黒髪やなぁて思てな。」

そんなこと言われたことないからかなり戸惑う。
なんて返せばいいか考えていると、

「いつまで触ってんの?"も"したり。」

ニッコリ笑顔でやって来たのは不二君。
ナイスタイミングだけど、何で"も"したり?

「いや、俺忍足やねんけど…。」
「あれ?そうだったっけ。髪がもっさりしてるから、てっきり"も"したりかと思ってたよ。」
「…ふふっ。」

あまりにも理不尽な名前呼びについつい笑ってしまう。

「そこ笑うとこちゃうで、さん。」
「ごめん、花びら取ってもらってただけだよ。」
「それでも触り過ぎだよね。」

またもや開かれた瞳。
だから私も怒られてる気分になるから、それは止めて。

「おい、イモ。そろそろ俺は帰るぞ。」

いちいち言わなくても帰ってくれたらいいのに。
高級スイーツを頂いたことは素直に嬉しいけど。

「あ、ケーキありがとうございました。美味しかったです。」
「フン、こんな色気も何もねぇとこで食っても意味ないがな。」
「悪かったですね、でもこれが庶民の楽しみ方ですから。」
「なら、ケーキ代くらいは頂いてくぜ。」
「え?」

その瞬間、跡部君の手が私の顎を持ち上げた。
そして顔を近づけてくる。
え、これってまさか…。

「……嫌がってんじゃん。」

あと数cmかというところで跡部君の手を掴んだのは越前君だった。
/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp