• テキストサイズ

お散歩日和―にのあい―

第3章 二宮財閥





ニノの実家から戻ってから

俺はニノの居ない部屋で、ソファーに寝転がって天井を見詰めていた


ぼけっと天井の木目模様を見ていたら、段々それがニノの顔に見えて来た


逢いたくって、顔が見たくて、声が聞きたくて

何だか、眼に入るモノ全部がニノに見えて来る



「何だか解んないけどコレって結構ヤバいんじゃない、俺?」



そんな事を思いながら一人でぼんやりしていると、暫くしておーのくんと櫻井くんが家にやってきた


俺はおーのくんから結局ニノには会えなかった事と、伝言を伝えてくれた事を聞いた



「ゴメンね相葉ちゃん…僕、役に立てなくって」



申し訳なさそうにガックリ肩を落とすおーのくん



「何言ってるのおーのくん!十分力になってくれてるよ?

だって、ちゃんと俺の伝言伝えてくれたんでしょ?」

「そうだよ、智くん!

俺なんか、“ニノ”の“ニ”しか言ってねぇし!」



櫻井くんがそう言っておーのくんの肩をガシッと抱き寄せた



「でも、会えなかったから…」



ぱふっと櫻井くんを抱き返して、おーのくんが小さな声で言う

俺はそんなおーのくんの顔をググッと覗き込んだ



「それでも、ちゃんと伝えてくれたんでしょ?」

「うん…ちゃんと言ったよ?

愛してる、必ず迎えに行くって…言ってたって」

「ありがとう…そんだけでも充分だよ」

「相葉ちゃん…」



おーのくんの眼に、涙が浮かんでいた

しっかり櫻井くんに抱きついてその涙目を揺らしながら、おーちゃんが声を震わせて言った



「ニノ、泣いてた…

…僕、あんなに頼り無いニノの声、聞いた事無い…

…今だって…寂しくて、相葉ちゃんに逢いたくて…

…きっと、泣いてる」



おーのくんの眼から、ぽろっと涙が落ちた



/ 85ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp