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【HQ】初恋に溺れて息ができない【影山飛雄】

第19章 能ある烏は翼を隠す


球技大会は総当たり戦で、基本的に女子は男子の、男子は女子の審判を行うことになっていた。体育館競技は2つの体育館をそれぞれ3つに分けて試合を進めていく。バレーは10点先取、バスケは5分2クォーター、サッカーは10分と通常の競技よりも短い時間で決着が着くように調整されている。

初戦サッカーの人たちとサッカー部が体育館を出ていく。開会式を行った第1体育館はバスケなので、バスケ部がせっせとゴールを出していた。



「男バレ集合ーッ!」

ザワつく体育館の中、澤村先輩の声が響いて私たちは駆け出した。集まると体育着姿のみんなの姿があった。少し見慣れなくて本当に同じ高校だったんだな、なんておかしなことを思う。

「これから審判とジャッジのレベルについて説明するが、初戦サッカーかバスケのヤツいるか?」

「キャプテン、俺初戦サッカーです」

「じゃあ日向は、あとで誰かから聞いといてくれ」

「わかりました!じゃあ行ってきます」

「頑張れよ、翔陽!」

「アザッス!」

日向くんが走り去ってゆく。


「基本的にお前らは同学年女子のバレーの審判をすることになるが、ジャッジはかなり甘めでいい。明らかなアウトやフォアヒット、ホールディング以外は取らなくていいそうだ。勝敗は点数を控えて、ステージ上の先生に報告な」

「「「ッス」」」

「自分の出場とクラスの応援以外は、基本的に第2体育館にいること。あと、清水と鈴木はバレーだよな」

「うん」
『はい』

「クラス関係なく応援するぞ!」

「「ウェーイ!!!」」


「じゃあ、第2体育館のポールとネットの準備!」


私たちは体育館を移動した。



「美里ちゃん、4組だよね?」

『はい!』

「わかった、応援いく」

『わあ〜!私も2組の応援行きますね!』

「ふふ、ありがとう」


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