• テキストサイズ

現代版おとぎ話

第8章 ブレーメンの音楽隊〜それぞれの過去と向き合った今


僕の名前は奥野友哉。高校を卒業して地元の短期大学に入学することになった。なぜ短期大学だったのかというと勉強が少し苦手で大学に行くのは無理だろうと半ば諦めていたのだ。でも高卒だけにはなりたくなくて、それなりに勉強は頑張って短期大学を選んだ。両親は僕の進学にさほどこだわりはなく短期大学でも合格した時に喜んでくれた。

「大学だけが全てじゃないぞ!」
父さんはいつもこう言っていた。父さんの働いている会社では高卒から係長にのしあがった人がいたらしく、学歴だけが全てじゃないことを教えてもらった。学歴も大事かもしれないけどそれは履歴書という紙に過ぎない。最も重要なのは一生懸命に働くこと。そうすればいつかは報われるからと。


さて、短期大学いわゆる短大に入ったはいいものの2年で卒業して就職先を見つけなければならない。そんな1年生の夏に出会ってしまった。


バンドメンバー募集か。



・・・・・。もともと中学の頃からオーケストラ部に入っていて高校と合わせて6年間やっていたのもあり楽器演奏は慣れていた。主に僕がやっていた楽器は中学1年生で打楽器(太鼓やマリンバなど)2年生でクラリネット、3年生からはコントラバスを任されていた。


確かに楽器に携わる仕事に就きたいなとは思っていたが音楽大学は学費が高すぎて諦めて今にいたるのだ。



どうしよう?という迷いはなくこのバンドメンバーの応募のチラシをスマホでスクショして僕は家に帰宅すべく駅に向かった。


自宅は駅から電車を乗って最寄駅から自転車で帰宅する。
まずは家に帰宅して自分の部屋に入り、スクショしたチラシを見返していた。



オーディションがあるのか。なるほど。よく見ると大手の音楽事務所というわけではなくこれからメジャーデビューを目指していくらしい。だからまだフリーでの活動に違いない。


両親になんて話そうと考えながらこの日を終えた。

明日の短大終わりに帰宅したら話そう。


/ 161ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp