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吸血姫/フェイタン/イルミ/HUNTER×HUNTER

第1章 嵐のち快晴


「おかえりなさい」

馴染みの顔に笑みを浮かべながら声をかけると、ぴょんっと部屋に入って来た。

豪風が吹き込むので急いで窓を閉めてから振り返り男を見る。

黒い髪と服からポタポタと雫が落ちて床を濡らしていく。

「大丈夫?怪我はしてない?」

「そんなヘマしないよ」

彼は濡れていることなど気にもせず自信満々に言う。

口元は隠れているがその顔はどこか誇らしげに見えた。

コーネリアが男に手をかざすと染み込んでいた水が蒸発し乾いていく。

「骨のない奴ら、全員殺てきたね」

男は懐から布袋を取り出してコーネリアに渡す。

そこには沢山の舌が入っていた。

この者たちはもう生きていないだろう。

ターゲットは決して弱くない犯罪者共。

でも念を使えない時点で男には勝てない。

なぜなら彼は幻影旅団の一人、"フェイタン・ポートオ"なのだから。

「お疲れ様」

そういうと彼はソファーの上に座って胡座をかいた。

「ムカつく奴らね。弱いものほどよく喋る」

何故かイライラしている様子の彼。

何か言われたのかな?

「まあ地獄で後悔してるんじゃないかな」

ポケットから黒い玉を取り出すと手の平で小さな蝙蝠へ変形していく。

蝙蝠に袋を持たせて飛ばすと壁をすり抜けて兄の共へ向かった。

「報酬は口座に振り込んでおくね」

珍しく険しい顔で見てくるフェイタンに首をかしげる。

「どうしたの?」

「コーネリアはいつか居なくなるのか?」

「はい?」

「奴らの一人が言てたね。いずれ居なくなる。ワタシを置いていくのか?」

奴らとは多分ターゲットの事だろうけど…知り合いじゃないのに、何でそんなこと言うんだろう。

コーネリアにも意図は分からないがフェイタンのご機嫌を直すのが先だ。

「それはフェイを困惑させる為に着いた嘘よ」

納得してないフェイタン。

でもずっと一緒に居られるわけなんかないのに
変な事言うフェイタン。

「フェイが離れない限り私は一緒に居るよ」

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