吸血姫/フェイタン/イルミ/HUNTER×HUNTER
第4章 ザバン市
自信満々に上からものを言うトンパに痺れを切らしたのかフェイタンが彼に向かって口を開いた。
「35回ってお前才能ないね」
クラピカ達が言わなかったことをフェイタンはサラッと言ってしまった。
「なっ」
フェイタンの嘲笑いにトンパは後ずさった。
それでもトンパはめげずに鞄からジュースを取り出してゴン達に渡していく。
どうせ捨てるなら受け取りたくない。
「私いらない」
ジュースを突き返すとトンパはうろたえたがフェイタンの睨みにそそくさ鞄へ引っ込めた。
缶に口つけたゴンがジュースを吐き出す。
理由は腐っているから。
それを見てクラピカとレオリオも捨てた。
トンパは土下座して謝るとそそくさ去ってしまった。
「ゴン。知らない人から物を貰っちゃダメだよ」
隣にいるゴンに言い聞かせると元気に返事をする。
「ホントに分かってるのかな?」
きっと分かってないだろうな。
ゴンは優しいから…
それにゴンなら大丈夫な事を知っている。
心配しなくても彼は自分で歩いて行けるのだ。
寂しがり屋はコーネリアの方だろう。
開始の合図が鳴り響いた。