吸血姫/フェイタン/イルミ/HUNTER×HUNTER
第3章 ドーレ港
「助けて」
伸びている魔獣を見下ろしていると、茂みから魔獣に捕まっていた女がでてきた。
女性はクラピカが対処するはず…なんだかおかしい。
「お願い…助けてぇ」
おぼつかない足取りで腕を伸ばして此方へやってくる。
彼女は頭から血を流していた。
どうしよう…キリコ(魔獣)が落としたのかな?
だったらクラピカが傍に居るはず。
この人は誰?
「来ないで、コイツと同じ目にあうよ」
コーネリアが睨みつけると女は止まった。
「へぇ、勘が良いのね」
女性はキリコに変身しそのまま森へ姿を消した。
ゴンたちの元へ向かったのだろうか?
「あいつも魔獣か」
フェイタンが驚いた様に言った。
「カマかけただけだよ」
「それも実力ね」
フェイタンが感心したように言うので何だかくすぐったい。
「へへへ。見知らぬ人には近づかないんだよ?」
「その言葉、そのまま返すよ」
呆れたように言うフェイタンに意味がわからない。
コーネリアは好奇心が強い。
あのゴンという少年やクラピカにレオリオ。
船で出会ったときから目を輝かせて彼等を見ている。
フェイタンはそれが気に食わなかった。
何故と言われると分からない。
だが気に触るのだ。
真意を聞こうとしたコーネリアと目が合ってそっぽを向く。
そうすればコーネリアは遠慮して深くは追求してこない。
案の定、諦めたコーネリアがキリコの足を掴んで引きずりだした。
「ソイツどうするね。ワタシ拷問しようか?」
「ダメダメ!傷つけないで!」
「なぜ?」
「ダメなの」
ブンブンと首を振って家に引きずるコーネリア。
コーネリアには不思議な力がある。
きっと予知能力も持っているのだろう。
フェイタンは大人しくコーネリアを手伝おうと手を伸ばす。
「拷問ダメだって!」
「ワタシ代わりに運ぶね」
「え?いいの?」
コーネリアに変わって魔獣の尻尾を掴んで引きずる。
反応を確認するがピクリとも動かない。
動物の尻尾は敏感だと聞く。
反応が無いということは気を失っているのは本当らしい。
家に戻るとレオリオが驚いていた。
その後ゴンとクラピカがキリコ達を連れて帰ってきた。
見事に合格した5人はキリコに運ばれてザバン市に向かうのであった。