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一作目 吉川詩音

第1章 本編


詩音と奏は、まふゆの母と会話をしていた。

「この際だから、言っておくね。
音楽もサークル活動も、あの子の人生に必要ない。
だから、二人とも、あの子のことを、思うなら、
サークルを辞めるように、勧めて貰えるかしら?」

「待ってください」

「何かしら?」

「まふゆは、以前、私と詩音くんの前で、
消えたいって、言っていたんです」

「まふゆが消えたい?」

「自分が何をやりたいのか、わからない、状態です」

「みんなと曲を作りたいと、そう言っていた」

「そんな、まふゆが、わたし達と、
音楽活動がやりたいと、言ってくれたんです」

「サークル活動を、許してやってください。お願いです」

「お願いします!今の、まふゆから、
音楽をとったら、まふゆは…!」

「あの子…そんな風に思っていたの」

「そうなんです、だから!」

「そうだったのね、きっと、まふゆは、
いい子だから、まふゆからも、聞いてみるわ」

「本当に…本当に、そう思うなら、
今の、まふゆの、本当の気持ち、
本当に、やりたいことを、聞いてあげてください」

「そうすれば、きっと、サークル活動が、
必要だなんて、わかってもらえると思います」

「まふゆが苦しんでいるのかを…」

「そうね、本当にありがとう。二人とも、
ちゃんと、まふゆの気持ちも、聞かないとダメよね。
サークル活動や音楽をするよりも、
看護師を目指すよりも、医者になる方が良いって、
わかってもらえないと」

「それは、違うと思います」

「何が違うの?」

「あなたは、まふゆのことを、何も考えていません。
まふゆの気持ちを、抑え込んでいるように、
見えたから」

「心外ね。どうして、そう思われるのかしら?」

すると、詩音が、ブチ切れる。

「アンタは、お前は、母親失格だ。
まふゆちゃんの気持ち、何も考えていない、
何もわかっていない。毒親だ!」

「詩音くん!?」

「アンタを許さない。
一つ言っておく、お前の思い通りには、させない!」

「わたしは、あなたに、どう言われようと、
まふゆの傍から、一切離れません」

「そう、詩音くんもだけど、残念ね」
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