第3章 12歳年下の彼
彼と…こうする度に…、
私は…彼に…愛されてるんだと…。
尽くされる様にして、
彼に抱かれてしまって。
大事に大事に…可愛がられる度に…。
比べたくないのに…、頭の中で…
雄介さんと…港斗さんを
比べてしまっていた。
『巴さん…、また
…僕とえっちしながら、
雄介さんの事…思い出してたでしょ?』
そう…港斗に自分の心の中を
指摘されてしまってドキッとした。
「んっ…あっ、ご…ごめんなさ…い…ッ」
『別に…謝らなくても…良いですよ、
思い出してしまうつもりが無くて、
そうしてるんですし…。それに…、
巴さんが…その事を…
考えられなくなる様に
僕がさせればいいだけの話ですから…。
貴方は…僕の事だけ…見てればいいし、
僕の事だけ…考えてればいいし…、
僕だけ…感じてればいい』
そんな風に…、嫉妬する必要のない
私の前の彼の事に…彼は嫉妬している様で。
私に…そう…言って来ると…。
ベッドの枕元に置いてある、
コンドームを取り出して、
自分のペニスに被せて装着した。
ギシッ…とベッドが音を立てて軋んで。
港斗が巴の身体の上に
覆いかぶさって来る。
上から…熱を帯びているのに…、
どこか優しい…その彼の
目に見つめられていると…。
こっちが…どうしようもない程に、
申し訳ない気持ちに…なってしまう…。
こんな…誰もが…羨む様な…、素敵な彼に。
こんな風に…、私みたいなおばさんが…
愛されてしまって…良いのかな…って。
『僕だったら、
…絶対に…浮気とかしませんよ?
巴さん…みたいな…、
こんなに、可愛い彼女が居て
その雄介さんは…何が不満だったのか…。
僕には全然…わかりません…けど…ね?』
そう言って…ニヤッ…と
港斗が口の端を曲げて。
その意味深長な笑顔に…
巴はドキッとしつつも。
この…私の12歳年下の
ハイスペックな彼氏様は。
何かにつけては…、
36の…良い歳をした私を。
可愛い可愛いと…言って褒めて来るのだ。