第7章 12歳年下の彼に看病される話
「美味しい…」
『そっちも…、食べたいなって…』
1口食べさせて貰ったお礼に、
巴が自分が食べていた
ストロベリー味のアイスを、
自分のスプーンですくって
彼の方に差し出すと。
『あれ、してみて…貰えませんか?』
「あれ…って、もしかして…。
はい、あーんってやつ?」
ちょっと恥ずかしそうにしながら
そう言われてしまって、
こっちも恥ずかしくなりながら。
あーんして貰って食べさせると。
『ストロベリーも美味しいですね、
巴さん、あの、良かったら。
もう、1口…貰ってもいいですか?』
もう1口、
アイスを食べさせて欲しいと
そう彼が言って来るから。
自分の手のプラスチックのスプーンで、
もう1口ストロベリー味のアイスを
すくって、港斗の方へ差し出した。
「はい、港斗君。
もう1口、どーぞ」
パクっと…
巴のスプーンの上の
ピンク色のアイスを口に入れると。
そのまま彼が顔を近付けて来て
キスを…されてしまって。
蕩けたストロベリーのアイスを
舌に塗り付けられる様なキスをされる。
「んっ…、んんぅ…ん…」
『まだ…、
巴さんの熱…
下り切って無さそうですね…』
こっちの口の中の温度が
熱いです…と…言って、彼が笑って。
「港斗君のも…、
もう…1口…頂戴…」
『ああ、じゃないと
不公平ですもんね
ええ、勿論、良いですよ?』
自分の栗のタルト味の
アイスをすくうと
自分の口に含んでキスをして来て。
結局…アイス食べながら
アイスの味のがする
キスばっかりしてしまって居た。
「んんっ…はぁ、…ん…ッ」
『イチゴ味の
巴さんも…
勿論美味しい…ですけど…。
僕は…いつもの
巴さんが良いかな…。
巴さんは…どうですか?』
そう言って栗の味のするキスと
いつものキスなら
どっちがいいと聞いて来るから。
アイス…をちゃんと
食べるつもりなんて
もう、どこにも無くて。
夢中になってキスをしてる内に
テーブルの上のカップの底には
ドロドロに溶けて液状に
アイスがなってしまっていた。