第7章 12歳年下の彼に看病される話
それから…どれぐらい
時間が経っただろうか。
ブルッ……巴が身震いしながら
肌寒さを感じて目を醒ました。
「寒い…ッ…」
毛布を自分の身体に巻き付けてみるも。
ゾクゾクとした肩の辺りに感じる
異様な寒気が収まらなくて。
少しでも温まりたくて。
自分の腕の当たりを
スリスリと両手で擦ってみるも
一次的なその場しのぎでしか無かった。
もぞもぞと…布団の中で移動して。
より温かい方へと、
熱を求めて巴が移動すると。
ほわっと…温かい何かを感じて。
引寄せられる様に寄り添った。
「んんっ…、あったかい…」
隣で眠って居て寝息を立てている
港斗の身体にスリスリと
自分の身体をすり寄せる。
「港斗…君…、体温…高いのかな…。
港…斗…くん…、あったか…い…ッ」
『んッ…ん?…すぅ…』
一瞬、彼が身じろいだので。
起こしてしまったのかなって
心配したんだけど…。
寝息を立てていたので、
眠っている様だけど。
ゴロンと…こちらに
寝がえりを港斗が打って来て。
彼の腕の中に、
すっぽりと納まってしまった。
動けないけど…、温かい…。
「港…斗…く…ん…ッ」
ーーー
ーー
ー
港斗が不意に目を醒ますと。
日付は翌日の、
11月11日になっていた。
確か、僕が…布団に入った時には
巴さんと、隣同士に並んで
眠っていたはずなのに。
自分が巴の身体を、
しっかりと抱き締めている
状態で眠って居て。
でも…自分がこうしないと、
こんな風には抱きしめられないので。
寝てる間に、無意識で
隣に居る巴さんに僕が
そうしてしまったんだろうけど…。
『あはは…、どれだけ…僕は
巴さんの事が…
好きなんでしょうね…?
寝てても、無意識で
こうしちゃってる…なんて…』
「んん…っ、港…斗…くぅ…ん」
眠って居る巴が、自分の名前を
寝言で呼んでいる事に気が付いて。
愛おしい…と思う気持ちが湧いて来て。
ぎゅうう…と腕の中にある
その愛おしい存在を抱きしめる。
スリスリ……と、眠って居る
巴が…無意識に
身体をこちらにすり寄せて来るから。
港斗は…自分のその部分が
疼く様な…騒ぐような
感じがして来るのを感じて居た。