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12歳年下の彼に溺愛される話

第6章 11月の出来事



『インフルエンザの潜伏期間って
大体個人差ありますけど、
1~3日位らしいですし、
その潜伏してる症状が出る前の
期間にも、ウイルスの排出は…
してるんですよ。だから、
僕が今日来なくても水曜日の時点で、
感染してる可能性はあるので。
職場の内部に持ち込むと…ね、
色々と、言われてうるさいんですよ』

普通の会社では…、
インフルになったとしても
そんなに口煩く言われる事はないけど。

私の会社だって、
インフルでしたって言っても、
事務的な感じの、
あっさりした対応だったし。

「ねぇ…港斗君って…、
…何のお仕事をしてるの?」

『僕ですか?僕は医療事務です。
ビックリするほど給料安いですよ。
あ、でも…、医療事務の仕事は
趣味みたいな感じでやってるので…』

医療事務は…病院の窓口で
受け付けをしたりとか、
医療費の計算をしたりとかする
医療関係専門の事務員さんだけど…。

薄給だけど、女性には人気のある
職種ではあるけど…。

『目が醒めたんだったら、
雑炊作って、出来てるんで。
お夕飯にしましょうか?
後、牛乳寒天冷蔵庫で固めてる
最中なんですけど、後で、
一緒に食べましょうね。巴さん』

そう笑顔で港斗君が言って来て。

その日の夕食は、彼が作ってくれた
雑炊を一緒に食べて。

片付けを済ませてから。

食後のデザートに彼のお手製の、
缶詰めのみかんが入った
牛乳寒天を一緒に頂いたんだけど。

何だか…変な…気分…だなって。
自分がインフルエンザなのに、
港斗君はマスクもつけないで、
私の隣に普通に並んで座って居て。

一緒にテレビを見て、
一緒にご飯を食べて。
時々ぎゅっとして貰って。

看病しに来てくれた彼と、
お家デートみたいな時間を過ごしている。

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