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12歳年下の彼に溺愛される話

第6章 11月の出来事



『そんな当たり前の事なんて…、
僕だって気付いてますよ。
だってずっと、
巴さんの事…
4月から…見てましたから。
ドンドン…巴さんが
綺麗になってって、
綺麗になる所か、なり過ぎちゃって…
困ってるんですよ?僕は』

「綺麗…に…なってねって、
周りの人に言われる様になったけど…。
流石に…、なり過ぎちゃっては…、
言い過ぎ…だよ?港斗君。
でも…、それもね…、私は。
港斗君がね、私の事を…、いつも
可愛いねとか、綺麗だねって、
沢山沢山褒めてくれるからだって…」

自分が綺麗になったのは、
彼とつり合いが取れる
自分になりたいと思って
お化粧とかファッションとか…
前よりも見た目に気を遣う様に
なったからという部分が大きいし。

彼がその私の、ちょっとした
些細な”変化”に気が付いて
それを素敵だとか、
可愛いとか似合ってるって…
言ってくれるから…なのに…。


『褒めてないですよ…、僕は。
思った事を…思ったままに、
感じたからそう言ってるだけですから。
だから…、それだけ…、
巴さんが…可愛くて、綺麗で
魅力的で…素敵だから…ですよ…。
でも…、許しがたいですよ。
僕の方が…先に気付いてたのに、
あ、そうだ…次の週末に…
とりあえず、指輪を買いに行きましょう』

何がどうなって、とりあえず
指輪を買いに行くのか
私にはさっぱり話が見えないのだけれど。

「え?指輪って、誕生日でも
なんでもないのに?クリスマスには
ちょっと早すぎる気がするし…」

『何言ってるんですか、
クリスマスじゃ遅すぎますよ!
クリスマスなんて来月じゃないですかッ。
と、言う事なので…、安物でも良いから
とりあえず指輪を買いに行きましょう』

「指輪…」

普段声を荒げたりしない、彼が
珍しくこの時は声を荒げていたので
巴は驚いてしまったのだが。
今度の土曜日に指輪を買いに行くので
彼の中で予定が決定してしまって居て。

クリスマスプレゼントなのかと
尋ねてみたが、そうではないらしい。

『虫除けリングですよ、害虫除けです』

ドラッグストアに
虫除けのゴムのブレスは
売ってるのは見た事あるけど…。

「虫除け…リング…って?」

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