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12歳年下の彼に溺愛される話

第1章 『私』と『彼』との馴れ初めの話



確かに…先週の3人組の子達が。

私と生田さんとの関係を、

そんな風にお金の繋がりだって…

邪推してしまうのも…頷けるよなと。

そんな事を巴が考えていると。

船からの景色を楽しんでいた生田さんと、

視線がぶつかってしまって。

見つめ合ったままで…、その視線から

私は…視線が逸らせなくなって居た。


『あの、巴さん。
さっきの話の…続き…なんですけど…』

そう…生田がこっちに切り出して来て。

潮風の音が邪魔をして、

上手く聞き取れなかったので。

「すいません、風が強くて
上手く聞き取れないので
そっちに行きますね」

巴が生田の隣に移動をして。

手すりを自分の手で握ると、

下から聞き洩らさない様にと

耳に意識を集中させなががら。

彼の方を見上げていると。

ふぃっと…こっちの視線から

逃げる様にして、

彼が視線を向こうへ向けてしまって。

見つめすぎてしまったかと…

巴が思っていると。


『あの…、もし…なんですが…。
巴さんが…お嫌でなければ…、
ランチとか、ティーじゃなくて…、
トワイライトか…ナイトクルーズに…』

その生田の言葉に、
巴が首を傾げる。

「もう、生田さん…。
クルージングは魅力的ですけど。
それじゃあ…恋人同士がする
デートになっちゃいますよ?」

そう言って視線を上げると、
彼の視線と…視線がぶつかってしまって。

真っすぐに、こちらへ向けて…
見据えられている視線に…。

思わず…

身動きが取れなくなってしまって居て。

ドキドキと…急に動悸がして来て…。

自分の心臓が…

騒がしく…なるのを…感じる。


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