• テキストサイズ

あの方々の守護霊は2[dzl]

第7章 おんりーさんの守護霊


 カランカランと鈴を鳴らし、案内通りに礼と拍手をして神社の参拝を済ませる。それからお守りや御札を売っているところに行って色々と眺めていると、不意におんりーさんが話を切り出したのだ。
「……見えなくなりました?」
「え?」
 突然のことでなんのことか分からずに視線をおんりーさんへ向ける私。そこには至って真面目な顔をしたおんりーさんが見つめ返していて、さらに困惑した。
「さっきから、ずっと顔をしかめていたので。何か見えていたのかと」
 幽霊が、と小声で付け足して。
「あ、あ〜すみません……」
 詳細は分からずとも、やはり心境まではだだ漏れだったのか。私は咄嗟に謝ったが、気にしないで下さいと、おんりーさんからの素っ気ない返事が何よりありがたかった。
 私はおんりーさんを取り巻くものへ目を凝らしてみた。ここで参拝したおかげか、周りの黒く不安な気持ちになるような生き霊たちはさっぱり消えて、青い羽の生えた生き物……アレイが数匹ふわふわ飛び回っていた。それは和やかなオーラすら放っているようだ。
「もう、大丈夫そうです」
 なぜかそう思うようになって、私はおんりーさんにそう言った。
「ならよかったです」
 それ以上聞いてこなかったおんりーさん。本当は何かしら気付いていそうだが、感情の起伏が顔に出ない彼からこれ以上読み取ることは難しそうだ。
/ 41ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp