第17章 夏の終わり※

「なな…ええ加減戻って来たらどうや？
呪術師やりたいなら、うちでもやらしたるから…。
高専の仕事を受けんのはあかん…。何かあっても、俺がすぐに行かれへん。」




呪術師やりたいなら、折れたる。

その代わり、俺の側やで。




俯いて顔に掛かってるななの髪を耳に掛けた。

顔は上げないが、ななが動揺しているのは分かる。




まぁ未成年の呪術師に、術師を殺さなければならないほどの任務なんて実際は無い。

だけど何があるか分からない。

せめて禪院家の仕事なら、ななに選ぶ事が出来る。




（甚爾くん聞いて、焦ったわ…。）

甚爾の任務中に、万が一ななが対峙していたなら…。




きっとななは今ここに居ない。




「高専の仕事を全く受けない訳や無いし、仲良うなった奴とも会えるさかい。
ちゃんと術式の訓練もうちで受けさせたる。
だからもう帰ろうや。」