第9章 不穏
五条悟side―
五条『わざとでしょ』
解剖室で補助監督である伊地知を詰める。
彼が悪くない事くらいわかっているが、期待していた生徒を失った悲しみは大きく、ついつい八つ当たりのようになってしまった。
伊地「わざと…と申しますと…?」
五条『特級相手、しかも生死不明5人の救助に1年生派遣はありえない。
僕が無理を通して悠仁の死刑に実質無期限の執行猶予を与えた、面白くない上が僕のいぬ間に特級を利用して体よく彼を始末ってとこだろう。
ほかの3人が死んでも僕に嫌がらせができて一石二鳥とか思ってんじゃない?』
伊地知はメガネをクイッとかけ直し、手はカタカタ震えている。その顔は冷や汗が溢れ出ている。
伊地知「いや、しかしっ…派遣が決まった時点では、本当に特級になるとは…!!」
五条『犯人探しも面倒だ…』
――『いっその事上の連中全員殺してしまおうか…』
家入「珍しく感情的だな」
!!!
家入「随分お気に入りだったんだな彼」
五条『僕はいつだって生徒思いのナイスガイさ!』
家入「あまり伊地知をいじめるな、私たちと上の間で苦労してるんだ。」
―きゅぅん!―
伊地知(もっと言って…!)
五条『男の苦労なんて興味ないっつーの』
家入「そうか」
伊地知(もっと言って…!)
家入「で、コレが―――宿儺の器か…」
バッ―
そう言いながら死体にかけられているシーツを取り払う
その死体は正しく虎杖のもの。
家入「好きに解剖していいよね」
五条『役立てろよ』
家入「役立てるよ。誰に言ってんの?」