第2章 始まり
その人はパニックになっている私を落ち着かせるように頭を撫でた。
『君には今日から別の高校に通ってもらうよ』
「え?」
『そりゃもうこの学校いられないでしょー!だって君派手に暴れちゃったからね〜☆』
『でも大丈夫、君の事は僕が守るよ』
いきなり真剣な声で話すのだから少しドキリとしてしまう。
しかし私は人を殺めてしまったのだ、自首しなければならない。
「わ、私、自首します…」
『まじ?ちょー真面目ちゃんじゃん!めっちゃウケるw』
と心底可笑しそうに笑うので少しムッとしてしまう。
すると男は何やら電話をかけ始めた、おそらく警察だろうか?
なんにせよ私はもう…
と色々考えていると電話をやめた男がまた話しかけてきた。
『君今死んだことになってるから、家の事とか気にせずに転校出来るよ☆』
と語尾に☆がつきそうなテンションで行ってくる。
『それとも何?あの両親そんなに大事?君が死んだって聞いてどんな反応だったか知りたい?』
「知りたく…ありません。」
おそらくこの人は私の環境や、自分でも理解出来ていないこの力の全て知っているのだろう。
どうせ死んだも同然の人生を送ってきた、今更捨てがたいものなんて何も無い。
人を殺して置いて自分だけ生きていく事に罪の意識が無いわけでは無かったが、何かが変わるような気がして…
「私を連れて行ってください」
と覚悟を決めて頼む私に
『もちろん』
と即答してくれた。
『あ、自己紹介まだだったね、僕の名前は五条悟だ、よろしくね、水姫 夏梨』
「よろしくお願いします。」
そうして
高校の先生をしていると言う五条先生に連れられ、私は新たな人生を踏み出した。
〜次の日〜
『夏梨、これから僕と入学準備デートへ行くよ〜!』
と、昨日のことがまるで夢だったように明るい声が聞こえる
『制服届いてるんだー!はい、これ!着てみて』
と言われる、仕方なく袖に通す、サイズがピッタリで怖い。プリーツスカートは膝上ですごく短い、こんな短いの履いたことが無い、
上は何故か黒の巫女服モドキのような形である。渦巻きボタン
何故か靴は赤い花緒の下駄に、黒の薄手レースの手袋
(これ、着る子選ぶやつだ…!私が着ちゃダメなやつッ!)
美人しか似合わないデザインだと心の底から思う。
そんな気持ちを知ってか知らないでか
似合うよ!と五条先生は言う。